株式会社リオ・ホールディングス

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#3勝山ニューホテル(勝山市)

地元自慢の恐竜を、もっとたくさんの人に見せたい。

背景

福井県東北部に位置し、1988年に北谷町杉山で1億2,000万年前の肉食恐竜の化石が発見されて以来、全国有数の恐竜化石の発掘地として知られる「勝山市」。これにあやかり、行政が鳴り物入りで企画・建設した福井県立恐竜博物館(2000年開館)は今もなお、勝山市のシンボルとして人気を博しています。一方で、同時期に建設されたのが勝山ニューホテル。勝山市出身、相互タクシー株式会社創業者である多田清氏が一代で財を築いたのち、自らの故郷に恩返ししたいという思いで、越前大仏の建立とともに勝山市の観光拠点とするべく、当時は勝山市唯一のシティホテルとして開業したのです。
その後、多田氏から寄贈されたホテルは勝山市所有の下、1999年から2022年まで20年以上に渡って指定管理者制度による民間への委託を通じて運営されてきました。

勝山ニューホテル 背景
勝山ニューホテル 背景
勝山ニューホテル 背景

出会い

勝山ニューホテル 出会い

そんな勝山市とリオが接点を持つことになったのは、実は別の案件のご紹介がきっかけでした。目的は同じく、福井駅の北陸新幹線駅開業に向けての取り組みではありましたが、当初は、縁あって福井県副知事 中村保博氏の紹介を受け、福井市所有の施設の運営・売却について相談をいただいていました。こちらは検討の結果、投資額の面で折り合わなかったのですが、その後、中村副知事の取り計らいにより、勝山ニューホテルの紹介を受けるに至ったのです。というのも、福井県立恐竜博物館を擁する勝山市は、福井県としても宿泊施設の拡充に力を入れたいエリアだったそうです。中村副知事からいただいた「新幹線が福井に来るのが最初で最後のチャンス。

その時期に照準を合わせて福井の魅力を発信するイベントを大々的に開催できるよう、県や市が所有する物件を徹底的に民間の力で再生していく方針だ。」という言葉にこもった関係各位の熱い思いが印象的でした。
そうしてご紹介を受けた勝山ニューホテルですが、前述の通り、勝山市はその譲渡先を探していました。譲渡先の選定にあたって勝山市が重点としたポイントは以下の2点。

  1. 地域行政としては、恐竜博物館のリニューアルオープンや北陸新幹線の開業に合わせて、宿泊施設の客室数を増加したいと考えていたため、それを実現できる事業者であること。
  2. 勝山ニューホテルが将来にわたって地域住民と観光客の交流の場として、地域経済を活性化させる中核地となるよう、長期安定的に運営を続けられること。

これが見事にリオの目指す方向性とも合致しました。活用されていない宴会場フロアを客室に変え、客室数を64室から98室に増やすこと。
そして、少なくともこの先20年にわたってホテルを運営し続けること。これらをお約束し、トントン拍子で勝山ニューホテルの譲り受けが決まりました。
こうしてリオは、地域行政と協力しながら福井県・勝山市を盛り上げる一翼としての役割を担うこととなったのです。

リオの取り組み

福井県立恐竜博物館のリニューアルオープン前の休館に合わせて、ホテルの改修工事を行いました。

勝山自慢の恐竜を前面に押し出そうと、改装のコンセプトを「恐竜ホテル」として、恐竜の世界を感じられるデザインや工夫を館内の随所に散りばめました。ロビーには動く恐竜のロボットも設置し、宿泊する子供たちに五感で楽しんでもらえるような空間に仕上げています。

勝山市とお約束した客室数については、64部屋から最終的に103部屋にまで増加。ほとんど使われていなかった宴会場やチャペル、会議室等を解体し、客室に生まれ変わらせました。
子供たちに大人気の恐竜ルームも増設。部屋ごとに異なる趣向を凝らし、旅のワクワク感をより一層盛り上げる仕掛けを施しました。

また、「WASIX」という福井名産の越前和紙と漆喰のコラボレーションより生まれた壁紙を、2階及び6階の廊下天井部分に使用しています。地元の名産品を取り入れることで、「地域愛を表現する舞台へ」というリオ・ホテルズのポリシーの実現を目指しました。

さらに、ホテル従業員の採用活動を行い、地域での雇用創出にも寄与していきたいと考えています。

関係各位のご協力のもと、2023年7月に無事に竣工を迎え、同月には勝山ニューホテルの改修工事お披露目会を開催しました。
勝山市長 水上実喜夫氏や恐竜博物館館長をはじめとして、総勢50名ほどの地域の皆様をご招待し、リニューアル後の勝山ニューホテルをご覧いただきました。

これから

水上勝山市長は市の職員時代、勝山ニューホテルをご担当なさっていたそうで、今回の譲渡にあたって「娘を嫁に出したような気持ちだ」と仰っていました。我が子のようなホテルをお譲り頂いたからには、責任を持って、地域の皆様にも観光客の方々にも愛され続けるホテルに育てていきたいと考えています。とは言え、勝山市や福井県を元気にするためには自治体や地域の方々との連携も欠かせません。行政関係者の方々、周辺地域の皆様の声にも耳を傾けながら、地域をより一層盛り上げるべく取り組んでいきます。