株式会社リオ・ホールディングス

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#2FLAG KURUME (久留米市)

地方の力だけでは難しい。助けを求める声に応えたい一心で。

背景

久留米市は福岡県南部に位置する中核市で、福岡市・北九州市に次いで福岡県で第三位の人口を擁しています。そんな久留米市を代表する駅が西鉄久留米駅。駅前のロータリーには、いずれも1980年頃に開発された3棟の商業ビルが立ち並び、時の流れを経て多少古びてはいましたが、市の賑わいの中心地として多くの人々が行き交っていました。しかし、その3棟の1つ、「千歳プラザ東館」にやがて大きな課題が生じました。
1階から4階に百貨店「岩田屋久留米店新館」、5階~9階にシティホテル「ハイネスホテル久留米」が出店していたのですが、2019年3月に岩田屋が撤退し、地上低層階が空きフロアになってしまったのです。
駅前という好立地に加え、1~4階で延べ3,000坪近い広さを有するこの建物では管理費や固定資産・都市計画税等が高額に及ぶため、賃料を高い水準で維持するほかなく、何社かの事業者がテナント誘致を試みたものの、後継のテナント探しは非常に困難だったそうです。

FLAG KURUME 背景

出会い

リオに千歳プラザ東館の再建の相談が舞い込んできたのは、そんな状況の中でした。
ところが、千歳プラザ東館には地権者が32名も。その全員の意思統一は困難を極めました。そこで、リオは地権者の皆様が集まる理事会でプレゼンしたり、地権者一人一人と交渉を重ね、駅前のシンボルである千歳プラザ東館の再建によって久留米の街に再びにぎわいを取り戻したいという想いを伝え続けました。そしてついに、2019年に全ての地権者にご納得いただくことができたのです。
32名の地権者との交渉が完了した翌年、久留米市は東館と隣接して駅前ロータリーに並ぶ「リベール(千歳プラザ西館)」を運営していた第三セクター「久留米都市開発ビル」について、市が所有する債権及び株式を売却すべく公募を始めました。そこで、リオもこれに応募し、最終的には久留米市の医療法人である社会医療法人天神会との共同出資によって第三セクター「久留米都市開発ビル」の大多数の株式及び債権を取得しました。こうしてリオは西鉄久留米駅前で千歳プラザ東館・西館一体での再建に着手することとなったのです。

FLAG KURUME 出会い
FLAG KURUME 出会い

ソリューション

まず、千歳プラザ東館の改修工事を実施し、百貨店が退店した後そのままになっていた内装と古くなってしまった建物をリノベーションの力でよみがえらせました。
エントランスやエレベーターホールには筑後地方に伝わる綿織物・久留米絣(がすり)をモチーフにしたデザインを取り入れ、リオのこだわりの詰まった複合施設に生まれ変わらせるべく、施設の名称も「FLAG KURUME」と改め、2021年3月にリノベーション工事が完了しました。各フロアの用途についても、下層階(1・2階)を商業フロア、上層階(3・4階)を事務所フロアと住み分けました。駅前の利便性の高い立地ではあるものの、3,000坪全てを商業店舗としてテナント誘致をすることは、車社会である久留米市で、駐車場の台数が限られているFLAG KURUMEにおいては難しいと考えたためです。下層階と上層階で用途を分ける仕様は、昨今の地方都市における駅前の商業施設の改修でよくみられる手法で、リオはターゲットに合わせた共用部の改修や専有部の設備・仕様にこだわり仕上げています。
改修後、2Fの商業フロアには、利便性のよい立地と広い面積、また新築物件の供給がない久留米市において共用部の新しさを求めていたクリニックやスクールの入居が順調に決まり、長らく空き区画となっていた1Fにはスーパーマーケットの誘致に成功。2021年11月のオープンをむかえ、数年ぶりに駅前東口の活気を取り戻すことができました。また、事務所フロアには東京や大阪などの首都圏に本社がある大手企業の支店やコールセンター等を誘致。
というのも、リオでは以前にも久留米市内で運用している事務所ビルに首都圏の企業のコールセンターを誘致した経験があり、FLAG KURUMEにおいても、久留米市とともに産業振興奨励金(補助金)の制度を利用し、新たに久留米市の雇用を生む企業へのアプローチを継続していました。
企業誘致を進めたい久留米市は、エリアに魅力的なオフィスが少なく具体的に紹介できる物件がないことに課題を抱えていたそうで、そんな需要にリノベーション済みのFLAG KURUMEがピッタリだったそうです。取り組みの一環として、久留米市が毎年東京都で開催している企業立地セミナーにも招致され、実際に久留米市内に出店した大手企業等と共にリオもセミナーに登壇し、久留米市の魅力やFLAG KURUMEをはじめとする当社運営物件をご紹介するなど、現在も地方行政と協力してテナント誘致を進めています。

FLAG KURUME ソリューション
FLAG KURUME ソリューション
FLAG KURUME ソリューション

これから

「FLAG KURUME」という施設名には、「久留米市のにぎわいを牽引する施設になってほしい」という関係者たちの想いが込められています。今後は「FLAG」の名の通り、先頭に立って旗を振り、久留米市ににぎわいを創出する役割を担っていきたいと思っています。久留米市とリオの取り組みはまだまだ始まったばかり。リオのもつ不動産のノウハウを活用し、久留米市をさらに盛り上げていきます。