2008年同社取締役、2010年同社取締役副社長を経て、妊娠・出産を機に管理部門の管掌へ転向し2011年に株式会
社リオ・ホールディングス取締役、2016年同社常務取締役に就任。その後、拡大し続けるホテル事業の牽引・発展
のため、2020年に株式会社リオ・ホテルズ代表取締役に就任。
リオでのキャリアについて
大学院生の頃から「ゆくゆくは経営者になりたい」という思いはあったのですが、実は、はじめからキャリア形成を考え、その道筋に沿って歩んできたかというと、そうではありませんでした。
特にリオに入社してからは、不動産管理の現場で目の前のことをとにかく一生懸命にやり、がむしゃらに頑張っていた結果として、代表の中川さんをはじめとする上長の評価やお客様からの信頼を得られ、徐々に役職が上がっていったような感覚です。
そうして20代はひたすら走り続け、30代前半には株式会社リオ・コンサルティング副社長のポジションを頂くまでになりました。
そんな私にとって、成果にこだわるようになった大きなきっかけが、妊娠・出産でした。
それまでは、時には夜遅くまで働いたり休日を返上したりしながら出していた成果を、時間の制約がある中で出していかなくてはいけない。
実際に、周囲に迷惑をかけてしまったり、思い通りにいかない悔しさもありました。
思い返すと大変な日々ではありましたが、限られた時間の中でどう成果を出すか、そしていかに自分の時間をコントロールするかに注力した経験は、今の経営の仕事にも生きていると思います。
子育てしながら働くこと、
そしてそのために
作ってきた制度
子育てしながら働くこと、
そしてそのために作ってきた制度
私は約1年半の産前産後休暇・育児休業を経て復帰したのですが、子供は1歳から保育園に預け、夫と助け合いつつ、ベビーシッターなども活用しながら子育てをしてきました。
子供が幼い時期は特に、仕事のために自分の時間を捻出しようと思うと、どうしても何かしらの手当てが必要になってきます。
その方法は本当に人それぞれだと思いますが、私の場合は人よりもお金をかけることで乗り切る選択をした、ということです。
また、実は、産前産後休暇・育児休業を経て復帰した管理職の女性社員は、リオでは私が第1号だったんです。
当時はまだ会社も若かったですし、子供がいる社員もごく少数で、色々な制度が整いきってはいませんでした。なので、自分の後に続く後輩社員たちのためにも、子育てをしながら働きやすい環境を作ろうと、常に先頭を走ってきました。
例えばリオの就業時間は、私が育児休業から復帰するタイミングで、保育園の送り迎えなどにより対応しやすい時間に30分前倒ししました。最近では、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言中に一部の保育園や学童保育所が休業し、子供を預けることができずに仕事を休まざるを得ない社員がいたので、会社でシッターに預けられる制度を会社に提案し、実現しました。
私を含め、ワーキングマザーたち自身が作ってきた制度だからこそ、使いやすい環境ができたのではないかと思います。
後輩社員への思い
自分が経験したからこそ、産前産後休暇・育児休業を経て復帰した社員が苦労していないかが気がかりで声をかけたりもしますが、意外と皆明るい表情なんですよね。
それぞれが納得して、前向きに頑張っている。
以前は、後輩のワーキングマザーの社員に、「急に会社を休んで仕事に穴をあけることもあるんだから、周りのお世話になる分頑張れる時に頑張らないとダメだよ」「いざというときにフォローしてもらえるように自分の仕事が周りにわかるようにしておかないといけないよ」と話していたこともあるのですが、リオでそのようなことで揉めているのを今まで一度も聞いたことがなくて。いつの間にかそんな話もわざわざしなくなりました。
ワーキングマザーのみんなが自分の仕事に責任感をもって一生懸命働いていて、周囲ともきちんとコミュニケーションをとって良い関係が築けているのでしょう。
だからこそ、会社全体に産前産後休暇・育児休業をとって復帰することが当たり前のような雰囲気があるのだと思います。
それぞれ苦労や悩みは当然あるんでしょうけれど、それを周りに感じさせない後輩たちは頼もしいですね。
現在とこれから
現在とこれから
現在は株式会社リオ・ホテルズの代表取締役としてリオのホテル事業全般を取り仕切っています。これまでも長く取締役を務めてきましたが、同じ役員でも「代表」という立場は全く違うことを実感する毎日です。
ホテルの運営に関することは基本的に全て任せて頂いているので、自分で意思決定をすることがほとんど。
自ずとこれが自分の会社だという意識が生まれ、この会社で働く約800名の社員に対しても、自分の社員だという思い入れが強くなりました。
また、少し前までは個人としての成果を一番に考えていたのですが、今は個人から会社に軸がシフトし、会社を組織としてどう動かしていけば良いか、他の経営陣との信頼関係をどう築いていけばより良い方向に向かうのか、などを第一に考えるようになりました。
私はもともと不動産を通じて「日本の古いものを残し、街を良くする」ことがしたくてリオに入社したのですが、今、日本各地でホテルを再生して街を盛り上げるという、まさにやりたかったことができています。
与えられたチャンスには一生懸命に取り組む。それは、子育てをしていてもしていなくても変わりません。
株式会社リオ・ホテルズ、そしてリオ全体がより良い方向へ進むように、これからも先頭を切って走り続けたいと思っています。